「EarFun Free Pro 3」を調べているあなたは、こんな疑問を持っていませんか?
- 「1万円以下で高機能らしいけど、実際の音質やノイズキャンセリング(ANC)の評判はどうなの?」
- 「設定やイヤーピースを交換すると音が良くなるって聞いたけど、具体的にどうすればいいの?」
- 「EarFun Air Pro 3と比べて、どっちが自分に合っているんだろう?」
これらの疑問は、EarFun Free Pro 3が持つ「特徴」によるものです。
先に結論からお伝えします。
EarFun Free Pro 3は、多くの専門家やユーザーから「買ってそのまま使うイヤホン」ではなく、「自分で設定を調整して楽しむイヤホン」だと評価されています。
デフォルト(買ったまま)の状態では、音質やノイズキャンセリング性能に不満が出る可能性があります。
しかし、専用アプリでの「イコライザー調整」や「イヤーピースの交換」という「ひと手間」を加えることで、価格を大きく超える高性能なイヤホンに変わる、という二つの顔を持っています。
調べた方法(この記事の信頼性について)
この記事では、以下の複数の情報源をもとに、偏りのない客観的な視点でまとめています。
- メーカー(Earfun Technology (HK) Limited)の公式プレスリリース
- SoundGuys、Headphones Addictなどの海外オーディオ専門メディアによる詳細な測定・分析レポート
- 国内のレビューブログやYouTubeチャンネルによる使用感の報告
- Redditなど海外コミュニティでのユーザー報告
(※この記事は、筆者の個人的な感想や試用に基づく「レビュー記事」ではありません。客観的な情報の「まとめ記事」です。)
この記事でわかること
この記事を最後まで読むことで、次のようなことがわかります。
- EarFun Free Pro 3の性能が「調整前」と「調整後」でどう変わるのか
- 音質を劇的に改善する「イコライザー(EQ)」のおすすめ設定
- ノイズキャンセリング(ANC)性能を高める「イヤーピース交換」の選び方
- 「EarFun Air Pro 3」と比べた時の、それぞれの長所と短所
- 対応コーデック(音の伝送方式)や、LE Audioの現状について
EarFun Free Pro 3の基本情報と特徴
まず、EarFun Free Pro 3がどのような製品なのか、基本情報を確認しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2023年10月30日 |
| 価格帯 | 約1万円以下 |
| 受賞歴 | 国内オーディオアワード「VGP金賞」を受賞 |
| SoC(チップ) | Qualcomm QCC3072(高性能BluetoothオーディオSoC) |
| ドライバー | 7mm ウール複合素材ダイナミックドライバー |
| 特徴 | 価格を超える高音質・高性能で、ANC(ノイズキャンセリング)やLDAC対応など上位機能を搭載。コスパの高さで注目されています。 |
| メーカー情報 | EarFunは香港を拠点とするオーディオブランド。開発拠点は中国・深圳にあり、複数の国際デザイン賞を受賞しています。(詳細は「EarFunの会社情報・評判まとめ」参照) |

音質は「イコライザー(EQ)設定」で変わる
EarFun Free Pro 3の評価で最も意見が分かれるのが「音質」です。
デフォルト(買ったまま)の音質評価
多くの専門メディアの測定やレビューで、デフォルトの音質は「低音が膨らみすぎている」「音がこもって聞こえる」と厳しめの評価を受けています。
これは、音楽の「明瞭さ」に必要な中高音域(2kHz〜5kHzあたり)が、強調されすぎた低音によって隠れてしまうことが原因と分析されています。
解決策:専用アプリでの「10バンドEQ」調整
この音質問題は、EarFunの専用アプリ「EarFun Audio」を使うことで解決できると報告されています。
このアプリには「10バンド」という、細かい音域調整が可能なイコライザー(EQ)機能が備わっています。
調整が難しいと感じる人でも、アプリ内にあらかじめ用意されている「Oluv’s Signature(Oluv氏のカスタムEQ)」というプリセット(設定の組み合わせ)を選ぶだけで、音質が劇的に改善した、という報告が多数。
- Oluv氏(著名なオーディオレビュアー)のプリセットを選ぶ。
- 専門メディア(SoundGuysなど)は、「250Hz以下の低音を少し下げ、500Hzと4kHzを少し上げる」といったカスタム調整を推奨しています。
EarFun Free Pro 3は、この「アプリでEQを調整すること」が、本来の性能を引き出すための正規のステップとして設計されている可能性が高いです。
ANC性能は「アップデート」と「イヤーピース交換」で変わる
次に、ノイズキャンセリング(ANC)機能です。これも音質と同様に、評価が時期によって分かれています。
発売初期のANC性能:「弱い」という評価
発売直後のレビューでは、「ANCが効いているか分からないほど弱い」といった非常に厳しい評価が目立ちました。
ファームウェア・アップデート
その後、EarFunはANCの動作方法を改善するファームウェア・アップデート(v0.2.1 / v0.2.3など)を配布しました。
これにより、アップデート後のANC性能は大幅に向上したと報告されています。
特に「ゴロゴロ」というような低い音(エンジンの音など)のノイズに対しては、非常に優秀な性能を発揮するようになりました。
残った課題と解決策:「イヤーピース交換」
アップデート後も、「人の話し声」や「キーボードの音」といった中高音域のノイズは消えにくい、という弱点が指摘されています。
この中高音域のノイズは、ANCの「アクティブ(電子的な)処理」よりも、イヤーピースによる「パッシブ(物理的な)遮音」が大きく影響します。
つまり、ANC性能を最大限に高める次のステップが「イヤーピース交換」です。
EarFun Free Pro 3の性能を引き出すアイテム
EarFun Free Pro 3の性能を最大限に引き出すためには、音質を調整する「アプリ」と、遮音性を高める「イヤーピース」が鍵となります。 特にイヤーピースは、ANC性能だけでなく、音質そのものにも大きな影響を与えます。
EarFun Free Pro 3 本体
おすすめの交換用イヤーピース
遮音性重視(フォームタイプ)
Comply(コンプライ)や、NavyStormなどのメモリーフォームチップ。
中高音のノイズを減らす効果が期待できますが、圧迫感や耐久性が低い場合があります。
遮音性と快適性の両立(特殊素材・構造)
AZLA Crystal TWSやSpinFit Omniなど。
EarFun Free Pro 3 vs. EarFun Air Pro 3 どっちを選ぶべき?
ユーザーが最も悩むのが、同じEarFunの「Air Pro 3」との比較です。
この2つは、どちらが上というわけではなく、特徴がはっきりと分かれています。
| 評価項目 | EarFun Free Pro 3 | EarFun Air Pro 3 | 勝者 | 根拠・分析 |
| 音質 (EQ調整後) | ◎ (優) | ◯ (良) | Free Pro 3 | Snapdragon Sound対応やドライバーの差で、Free Pro 3が優位との評価。 |
| ANC性能 | ◯ (良) | ◎ (優) | Air Pro 3 | 総合的なANC性能、特に風切り音の低減でAir Pro 3が優位との評価。 |
| マイク性能 | ◯ (良) | ◎ (優) | Air Pro 3 | ステム(棒)型でマイクが口元に近く、通話品質で物理的に有利。 |
| バッテリー | ◯ (良) | ◎ (優) | Air Pro 3 | 本体・ケースともにAir Pro 3の方が明確に長持ち。 |
| 携帯性 | ◎ (優) | ◯ (良) | Free Pro 3 | ケース・本体ともに小型軽量。 |
EarFun Free Pro 3 を選ぶべき人
- 自分でEQ調整をするのが苦でない人
- 音質を最優先したい人
- ケースや本体の小ささ、軽さを重視する人
EarFun Air Pro 3 を選ぶべき人
- 通話品質やバッテリー持続時間を重視する人
- 通勤・通学などでANC性能をバランス良く使いたい人
- EQ調整など、細かい設定はしたくない人
Air Pro 3や、その後継機であるAir Pro 4シリーズとのより詳しい比較は、以下の記事も参考にしてみてください。



対応コーデック(LE Audio、ドングル)の現状
関連するキーワードについても解説します。
コーデック(aptX Adaptive, LE Audio)
EarFun Free Pro 3は「aptX Adaptive」というコーデック(Bluetoothで音を送るための方式)に対応しています。
これは、Snapdragonというチップを搭載した一部のAndroidスマートフォンなど、対応機器同士で接続した際に、高音質と低遅延(音のズレが少ない)を両立できる優れた方式です。
(iPhoneはaptX Adaptive非対応のため、標準的なAACという方式で接続されます)
また、次世代規格「LE Audio」にも将来的にアップデートで対応すると発表されています。
しかし、2024年時点でのベータ版ファームウェアを試したユーザー報告によると、動作が不安定であったり、LE Audioを有効にするとマルチポイント接続(2台同時接続)が使えなくなったりと、まだ実用段階ではないようです。
現時点では、安定して使える「aptX Adaptive」がこの製品の強みと言えます。
「earfun ドングル」とは?
「earfun ドングル」と検索されているのは、EarFunが販売している「UA100」という有線イヤホン用のDAC/アンプ(音質を良くする機器)を指している可能性が高いです。
これは有線接続用の製品であり、ワイヤレスイヤホンであるFree Pro 3とは直接的な関係はありません。
もし、aptX Adaptiveに対応していないPCやゲーム機でFree Pro 3の低遅延性能を使いたい、という目的であれば、別途サードパーティ製の「aptX Adaptive対応Bluetoothトランスミッター(送信機)」が必要になります。
まとめの前に:EarFun Free Pro 3の購入はこちら
EarFun Free Pro 3は、1万円以下で「自分で設定をいじる楽しみ」と「価格以上の音質」を手に入れられる、玄人好みのイヤホンです。
そのポテンシャルを引き出すための「ひと手間」を楽しめる方には、非常におすすめできる一台です。
EarFun Free Pro 3 本体
おすすめの交換用イヤーピース
遮音性重視(フォームタイプ)
Comply(コンプライ)や、NavyStormなどのメモリーフォームチップ。
中高音のノイズを減らす効果が期待できますが、圧迫感や耐久性が低い場合があります。
遮音性と快適性の両立(特殊素材・構造)
AZLA Crystal TWSやSpinFit Omniなど。
まとめ
この記事の要点を、はじめの疑問に答える形でまとめます。
- 実際の音質やノイズキャンセリング(ANC)の評判はどうなの?
-
「デフォルト(買ったまま)の状態」と「調整後の状態」で評価が真っ二つに分かれます。
デフォルトでは音質(低音が強すぎ)・ANC(弱い)ともに厳しい評価でしたが、調整後は価格以上の性能を発揮すると評価されています。 - 性能を良くするには具体的にどうすればいいの?
-
2つの「ひと手間」が必要です。
- 音質: 専用アプリ「EarFun Audio」をダウンロードし、イコライザー(EQ)設定を調整します(例:「Oluv’s Signature」プリセットを選択)。
- ANC: ファームウェアを最新にアップデートし、さらに中高音の遮音性を高めるためにサードパーティ製の「イヤーピース(例:フォームタイプやAZLA Crystal)」に交換します。
- EarFun Air Pro 3と比べて、どっちが自分に合っている?
-
音質と携帯性を最優先し、EQ調整の手間を惜しまないなら「Free Pro 3」。
通話品質、バッテリー、バランスの良いANCを求め、設定の手間をかけたくないなら「Air Pro 3」がおすすめです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
主な参考文献
| 出典 | URL | 主な内容・ポイント |
|---|---|---|
| PR TIMES | https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000046503.html | 2023年10月30日の公式リリース。QCC3072チップ、aptX Adaptive、Snapdragon Sound、QuietSmart 2.0(最大-43dB ANC)など、公式仕様を確認。 |
| SoundGuys | https://www.soundguys.com/earfun-free-pro-3-review-110394/ | 専門的な測定レビュー。低音が強めだがEQで補正可能。ANCは価格相応、実測バッテリー4時間58分。 |
| PHILE WEB(starball-inc.com転載) | https://starball-inc.com/?t=0018076896301 | 1万円以下でANCとハイレゾ対応を実現したコスパの高さを評価。 |
| ガジェットフロントブログ | https://gadgetfrontblog.com/10121/ | EQカスタマイズ(特にOluv氏のプリセット)の有効性を解説。aptX Adaptive / LC3対応なども確認。 |
| YouTubeレビュー | https://www.youtube.com/watch?v=gfixALZsx60 | Air Pro 3との比較動画。音質はFree Pro 3、マイクとバッテリーはAir Pro 3が優位と結論。 |
| Reddit (r/Earbuds) | https://www.reddit.com/r/Earbuds/comments/17zhuou/azla_crystal_tws_and_sednaearfit_greatly_reduce/ | イヤーピース変更によるフィット感と遮音性改善の具体例。AZLA Crystal TWSで響きが減少。 |
| Reddit (r/EarFun) | https://www.reddit.com/r/EarFun/comments/17q5vxo/earfun_free_pro_3_lc3_support/ | ベータ版FWでのLE Audio/LC3サポート状況を報告。Pixel 8 Proで不具合(クラッシュ・マイク不良)発生。 |
| Headphones Addict | https://headphonesaddict.com/earfun-free-pro-3-review/ | 初期音質を酷評しつつ、EQ後の音質を高評価。ANCはAir Pro 3に劣るがFW更新で改善。 |
| Reddit (r/Earbuds) | https://www.reddit.com/r/Earbuds/comments/17ksb4o/earfun_free_pro_3_a_review/ | 発売初期レビュー。ANC性能を「ほぼ無意味」と酷評。後のFW改善前の貴重な記録。 |




