最近、コンパクトで高性能な「ミニPC」が人気を集めていますが、その中でも特に「GEEKOM(ギーコム)」というブランドが気になっている方も多いのではないでしょうか。
ただ、少し調べてみると、こんな疑問や不安が浮かんできませんか?
- GEEKOMって、どこの国の企業なんだろう?
- 「やめとけ」という評判も見るけど、品質やサポートは本当に大丈夫?
- コストパフォーマンスは高いみたいだけど、安かろう悪かろう、なのでは?
先に結論からお伝えします。
GEEKOMは、中国・深圳に本社を置く企業です。
その製品は、高いコストパフォーマンスと洗練されたデザインが大きな魅力ですが、一方で品質のばらつきや不安定なサポート体制という、見過ごせないリスクも抱えています。
そのため購入には、「これらのリスクを理解し、許容できるか」を自分自身で判断する必要があります。
調べた方法(この記事の信頼性について)
この記事では、以下の複数の情報源をもとに、偏りのない客観的な視点でまとめています。
- GEEKOM公式サイト
- 国内外の専門的な技術系メディア、レビューサイト
- 海外の巨大掲示板Redditや、日本の通販サイトのレビューなど
この記事でわかること
この記事を最後まで読むことで、次のようなことがわかります。
- GEEKOMの本当の国籍と、巧みなブランド戦略
- 「やめとけ」と言われる3つの具体的なリスク
- リスクを上回るかもしれない、GEEKOMの強み
- ライバル企業(Minisforum, Beelink)との客観的な比較
- あなたがGEEKOMを買うべきか、避けるべきかの判断基準
GEEKOMはどこの国?その正体に迫る
多くの人が最初に持つ「どこの国?」という疑問。
ここを深掘りすると、GEEKOMという企業の巧みな戦略が見えてきます。
表向きは「台湾」、でも実は「中国・深圳」
GEEKOMは公式サイトなどで「台湾に研究開発本部がある」とアピールしています。たしかに、台湾にはASUSやAcerといった世界的な企業があり、ハイテク産業のイメージは非常に良いです。
しかし、会社としての実態、つまり親会社は「Shenzhen Jiteng Network Technology Co., Ltd.」という中国・深圳(シンセン)の企業です。
これは、製品の安全性を証明するPSEマークの登録情報からも確認できる、確かな事実です。
つまりGEEKOMは、「開発拠点は台湾(の良いイメージを活用)で、本社機能と生産管理は中国」という体制をとっていると考えられます。
なぜ台湾ブランドをアピールするの?
一部の消費者が中国ブランドに抱きがちな「品質は大丈夫?」「セキュリティは安全?」といった不安なイメージを和らげ、技術力の高い「台湾」のイメージをまとおうとする、計算されたマーケティング戦略だと考えられます。
日本法人から見える「本気度」
GEEKOMは2023年末に「ギコム株式会社」という日本法人を設立しました。
これは、日本市場へ本格的に力を入れていくという、良い兆候です。
PSEマークや技適マークをきちんと取得している点からも、日本の法律を守る姿勢がうかがえます。
ただし、注意も必要です。日本法人は設立されたばかりで、サポート体制はまだ整っていません。
実際に利用者からは「日本語でのやり取りがスムーズでない」「返信が遅い」といった声も上がっており、国内の大手メーカーのような手厚いサポートを期待するのは、まだ早いかもしれません。
GEEKOM製品にひそむ3つのリスク!「やめとけ」と言われる理由
GEEKOMの製品を考える上で、目をそむけてはいけないのが「リスク」の存在です。
「やめとけ」という評判が生まれる背景には、主に3つの心配な点があります。
「GEEKOMはやめとけ」と言われる理由について、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
気になる方は、ぜひ合わせてお読みください。

リスク①:品質のばらつきと故障報告
これが最大のリスクです。利用者の感想を分析すると、GEEKOM製品の品質は、まるで「宝くじ」のようです。
- 「最高のコスパ」
- 「全く問題なく快適」
といった絶賛の声もたくさんあります。
その一方で、
- 「マザーボードが壊れた」
- 「突然起動しなくなった」
といった、使えなくなるほどの深刻な故障報告も、海外の掲示板などで複数見つかります。
つまり、手元に届く製品が「当たり」なのか「ハズレ」なのか、前もって知るのが非常に難しいのです。
設計そのものが悪いわけではなく、おそらく製造過程や部品の調達段階で、品質にばらつきが出ていると推測されます。
リスク②:当たり外れの大きいサポート体制
もし「ハズレ」を引いてしまったときに頼りになるのがカスタマーサポートですが、ここにも大きな不安がひそんでいます。
- 「すぐに交換品を送ってくれた」
という良い報告もあります。
しかし、
- 「メールの返信が何週間もこない」
- 「話がうまく伝わらない」
- 「保証の対応を部署間でたらい回しにされた」
といった良くない報告の方が目立ちます。
特に、先ほども触れたように日本語サポートはまだ万全ではありません。
「3年」という長期保証は魅力的ですが、その保証をスムーズに受けられるかは「運次第」なのが現状です。
リスク③:高性能CPUの落とし穴(熱と騒音の問題)
GEEKOMのPCは、Core i9やRyzen 9といった高性能なCPUを積んだモデルが多く、スペック表だけ見ると非常に魅力的です。
しかし、そのパワフルなCPUを小さな本体に詰め込んでいるため、熱の処理が追いつかないことがあります。
動画編集や長時間のゲームなど、PCに高い負荷がかかる作業を続けると、CPUが熱くなりすぎて性能を自動的に落とす「サーマルスロットリング」という現象が起きやすい、と指摘されています。
つまり、「カタログ通りの性能を、いつでも最大限に発揮できるわけではない」ということです。また、熱を逃がすために冷却ファンが高速で回り、耳ざわりな音が出てしまうという報告も多くあります。
GEEKOMの強みは?評価できる3つのポイント
もちろん、GEEKOMにはリスクを補ってあまりある魅力もあります。
多くの人がひきつけられる理由は、主に以下の3点です。
強み①:圧倒的なコストパフォーマンス
なんと言っても一番の魅力は、その驚くほどの価格です。
国内の大手メーカー製PCと比べると、同じかそれ以上のスペックのモデルが、半額近い価格で手に入ることも珍しくありません。
特にAmazonのセール時などは、他をよせつけない安さを発揮します。
強み②:洗練されたコンパクトなデザイン
AppleのMac miniやIntelのNUCを思わせる、シンプルで洗練されたデザインも高く評価されています。
上位モデルにはアルミニウム製のボディが使われており、価格以上の高級感が感じられます。
机のスペースを取らず、部屋の雰囲気にもなじみやすい点は大きなメリットです。
強み③:業界トップクラスの長期保証(ただし注意点あり)
標準で3年間の保証が付いてくる点は、1年保証が一般的なミニPC市場において、はっきりとした強みです。
これは、メーカーとしての自信の表れと見ることもできます。
ただし、先ほどもお伝えした通り、この保証をスムーズに受けられるかは別の問題です。
「保証期間が長いこと」と「サポートの質が高いこと」は同じではない、という点は覚えておく必要があります。
GEEKOM vs Minisforum vs Beelink 結局どれを選ぶべき?
GEEKOMを検討するなら、必ず比較することになるのが「Minisforum」と「Beelink」という、同じく中国発の2大ミニPCブランドです。
それぞれに違う強みがあり、あなたの目的に合わせて最適な選択が変わってきます。
項目 | GEEKOM | Minisforum | Beelink |
---|---|---|---|
強み | 長期保証(3年)、コスパ | 高品質な作り、先進的な機能 | 冷却性能、動作の安定性 |
弱み | 品質のばらつき、サポートへの不安 | サポートへの不満、やや高価 | 保証期間(1年)、デザイン |
国籍 | 中国(深圳) | 中国(香港/深圳) | 中国(深圳) |
あなたに合うブランドはこれ!目的別の選び方
GEEKOMがおすすめな人
- とにかく長期保証による安心感がほしい。
- 多少のリスクは受け入れられるので、コストを一番に考えたい。
- 万が一のときに、自分でトラブルを調べたり対処したりできる。
Minisforumがおすすめな人
- 価格が少し高くても、本体の質感や作りの良さを大切にしたい。
- OCuLinkポートなど、最新の技術や将来の拡張性に魅力を感じる。
ミニPC専門店【Minisforum】公式サイトはこちら。
Beelinkがおすすめな人
- 長時間の負荷が高い作業をする予定で、冷却性能とパフォーマンスの維持を最も重視する。
- 何よりも安定して動くことを優先したい。
GEEKOM製品を後悔せずに買うためのチェックリスト
ここまでの情報をふまえて、あなたがGEEKOMを買うべきか、避けるべきかを判断するための最終チェックリストです。
GEEKOMを買っても良い人
- コストパフォーマンスを何よりも重視する
- PCのトラブル解決に、ある程度慣れている
- OSの再インストールなどに抵抗がない
- 主な使いみちがネット検索や書類作成
- Amazonなど、返品のルールがしっかりしたお店で買う
GEKOMを避けるべき人
- PC初心者で、箱から出してすぐに安心して使いたい
- 仕事のメインPCとして、絶対的な信頼性を求めている
- 手厚く、スムーズな日本語サポートが絶対に必要
- 故障やセキュリティのリスクに強い不安を感じる
- 動画の書き出しなど、長時間PCに高い負荷がかかる作業をよく行う
あなたに合ったGEEKOMモデルの購入はこちら
すべてのリスクとメリットを理解した上で、「自分はGEEKOMを買っても良さそうだ」と判断された方へ。
GEEKOMには様々なモデルがあります。
購入の際は、万が一の初期不良に備えて、返品・交換の対応がスムーズなAmazonでの購入を強くおすすめします。
まとめ
- GEEKOMって、結局どこの国の企業なの?
-
会社の本社は中国・深圳にあります。
ただし、宣伝戦略として「台湾」にある研究開発拠点をアピールしています。 - 「やめとけ」という評判も見るけど、品質やサポートは大丈夫?
-
「絶対に大丈夫」とは言えません。
製品の品質には差があり、「当たり外れ」があるのが現状です。
サポートの対応も不安定なため、大きなリスクとして知っておく必要があります。 - コスパは高いみたいだけど、安かろう悪かろうじゃないの?
-
まさに「安かろう、でも(当たりを引けば)良かろう」という製品です。
圧倒的な安さという大きな魅力と、品質・サポートという見過ごせないリスクがセットになっています。
最終的に、GEEKOMの製品を買うかどうかは、単なるスペックと価格の比較ではありません。
この記事で解説したリスクとメリットをよく見比べて、ご自身の使い方や、どこまでリスクを受け入れられるかを考え、後悔のない選択をしてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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