GEEKOM製品に組織的なバックドアの証拠はありませんが、初期状態でマルウェアが混入していた報告が1件存在します。
海外の大型掲示板にて、新品のPCからトロイの木馬が検出されたという事例があるためです。
一方で、第三者機関が同社の4機種をスキャンした結果では、マルウェアは一切検出されませんでした。
価格設定は非常に魅力的ですが、安全に利用するためにはOSの再インストールなどの対策が欠かせません。
【結論まとめ】
- 組織的なバックドアの証拠はないが、初期出荷時にトロイの木馬が混入した報告が1件ある
- 第三者機関による4機種のテストではマルウェアは未検出
- 本当のリスクは「サポート体制の不備」と「品質管理のばらつき」にある
- 安全に使うなら、クリーンインストールが必須
- 手間をかけられない場合は、Beelinkなどの他社製品が無難
【背景】魅力的な価格設定の裏に潜む不安
最近のミニPC市場は、非常に手頃な価格で高性能な製品が手に入るようになりました。 私自身、限られた資金のなかで作業環境を整えるため、複数のメーカーを検討しています。そのなかでもGEEKOMは価格と性能のバランスが良く、購入候補の筆頭に挙がるブランドです。
しかし、インターネット上で検索すると「バックドア」「ウイルス感染」といった不穏な単語が目につきます。 安い買い物ではないからこそ、セキュリティのリスクを抱えたまま購入に踏み切ることはできません。 そのため、噂の真相を納得がいくまで調べる必要がありました。
【目的】疑惑の真偽と安全な利用方法を見つける
本記事の目的は、GEEKOMのバックドア疑惑について客観的な事実を整理することです。
噂が単なるデマなのか、それとも避けるべきなのか。はっきりさせたい。
あわせて、もし購入する場合にどのような手順を踏めば安全に利用できるのか、具体的な対策方法を導き出します。
【方法】海外フォーラムおよびレビューサイトの調査

今回は情報収集による調査を行いました。
主に対象としたのは以下の3点です。
- 海外の巨大掲示板「Reddit」における、購入ユーザーからの初期不良およびマルウェア検出報告の確認。
- テック系レビューメディア「The Gadgeteer」が2024年2月に実施した、ミニPCのマルウェアスキャンテスト結果の参照。
- GEEKOM公式サイト、および競合他社(Beelink、Minisforum)の保証規定やユーザーコミュニティでの評判の比較。
これら複数の情報源を照らし合わせ、偏った意見に流されないよう情報を整理しました。
【結果】組織的脅威の証拠はなし、ただし品質が…
調査を行った結果、GEEKOMが意図的にバックドアを仕掛けているという明確な証拠は見つかりませんでした。
しかし、個別の事案としてマルウェアの混入や、サポート体制に起因する別の問題が。
まずは、判明した競合メーカーとのリスクやサポート体制の違いを表にまとめます。
| 項目 | GEEKOM | Beelink | Minisforum |
| マルウェア報告 | Redditにて1件の深刻な報告あり | おおむね報告なし | ファームウェアの脆弱性報告あり |
| 主な懸念事項 | サポート体制の不備、品質管理 | 比較的少ない | 冷却性能、ハードの安定性 |
| 公式の保証期間 | 3年間(※実態に疑問の声あり) | 1~2年間 | 2年間 |
| ユーザーの評価 | 性能対価格は高いが博打要素あり | 比較的安全な選択肢 | 上級者向け、性能は最高峰 |
Redditの投稿によると、Amazonで購入した新品のGEEKOM製PC(GT13 Proなど)の隠しフォルダ内に「llpy.exe」という実行ファイルが発見されました。
VirusTotalという複数の対策ソフトで一斉スキャンするサービスを通したところ、これが「トロイの木馬」であると判定されています。
これはユーザーの誤操作ではなく、工場出荷の段階で入り込んでいた可能性が高い事象です。
一方で、テック系メディアThe Gadgeteerが2024年2月に公開した記事によると、同メディアがGEEKOMの4機種(IT13、AS6、A5など)を徹底的にスキャンした結果、マルウェアは一切検出されませんでした。
このことから、すべての製品にバックドアが仕組まれているわけではなく、一部の製造ロットにおける品質管理の抜け漏れである可能性が示唆されます。
問題は、そうした欠陥が見つかった後の対応。
公式には3年間の長期保証を掲げていますが、ユーザーコミュニティでは「メールの返信が数ヶ月こない」「初期不良で送り返しても代替品が届かない」といった報告が複数確認できました。
不具合が起きた際に頼れる窓口が機能していないことは、購入者にとって大きなリスクとなります。
【考察】自分で対策できるかどうかで評価は分かれる
今回の調査を通じて、GEEKOMの製品は価格と性能の面では優れているものの、初心者が気軽に買える製品ではないと感じました。
国家レベルのバックドアといった陰謀論めいたものではなく、単純に製造時の品質管理と販売後のサポートに費用をかけていないことが、トラブルの根本的な原因と考えられます。
私のように限られた予算で機材を揃えたい立場からすると、同スペックの他社製品より安い価格設定は非常に魅力的です。
しかし、数万円を節約した結果、個人情報が漏洩したり、すぐに壊れて泣き寝入りしたりしては元も子もありません。
購入を検討する場合は、以下の5つのことを守った方が良いでしょう。
- 万が一に備え、返品が容易なAmazon(販売・発送元がAmazonのもの)で購入する
- 届いたら家のネットワークには繋がず、インターネットから隔離した状態で起動する
- 別のPCで作成したインストールメディアを使い、Windowsを完全にクリーンインストールする
- 公式サイトから必要なドライバーのみを慎重に導入する
- BIOS(UEFI)の設定に入り、セキュアブートが有効か確認する
これらの手順を自身で完結できる人にとってのみ、有益な選択肢になると判断します。
設定の手間や万が一の不具合への不安がある場合は、コミュニティでの評価が比較的安定しているBeelinkなどの他社製品を選ぶほうが安全です。
【結語】
今回は、GEEKOMのミニPCに関するバックドア疑惑と、それに伴うセキュリティリスクについて調査しました。
意図的なバックドアの証拠はないものの、品質管理やサポート体制には無視できない課題があります。
安価で高性能な機材を手に入れるためには、自らリスクをコントロールする知識と手間が求められます。
この記事の内容が、ご自身の環境構築における判断材料になれば幸いです。
【質疑応答(Q&A)】よくある疑問と回答
- GEEKOMのPCを買ったら必ずウイルスに感染しますか?
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すべての製品が感染しているわけではなく、大半の製品は安全です。
第三者機関の調査でも複数の機種からマルウェアは検出されていません。あくまで一部の製造工程でマルウェアが混入した「ハズレ」の個体が存在する可能性があるという状態です。
- OSのクリーンインストールは絶対に必要ですか?
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個人情報を守るためにも、初期設定前に実施することを強く推奨します。
プリインストールされているOSの状態を信用せず、一度ストレージの中身をすべて消去してまっさらなWindowsを入れ直すことで、マルウェアのリスクを排除できます。
- 公式サイトの3年保証は信用して良いですか?
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残念ながら、サポートが機能していないという声が多く疑問が残ります。
ユーザーからの報告では、問い合わせへの返答がない、返品しても対応されないといった声が散見されます。初期不良に備え、返品手続きが確立されているAmazonを経由するのが無難です。
