「EarFun Air Pro 3」は、1万円を切る価格ながら多機能で人気を集めているワイヤレスイヤホンです。
しかし、購入を考えるとき、こんな疑問が浮かびませんか?
- 「実際の音質やノイズキャンセリング性能はどうなの?」
- 「後継機の『Air Pro 4』や、よく比較される『Soundcore Liberty 4』と何が違うの?」
- 「2台同時にペアリングできる? もし紛失したら探せる?」
この記事では、そうした疑問を解消するため、EarFun Air Pro 3の機能や性能、ライバル機種との違いを客観的な情報に基づき詳しく解説していきます。
先に結論からお伝えします。
EarFun Air Pro 3は、「1万円以下でANC・マルチポイント・ワイヤレス充電など、欲しい機能を一通り揃えたい」という方に最適な、非常にコストパフォーマンスの高いイヤホンです。
調べた方法(この記事の信頼性について)
この記事では、以下の複数の情報源をもとに、偏りのない客観的な視点でまとめています。
- メーカー公式サイト(myearfun.com)による製品の公式スペック
- 国内外の専門メディアによる技術的な分析(SoundGuys, TechRadarなど)
- 実際の利用者による評価やフィードバック
この記事でわかること
この記事を最後まで読むことで、次のようなことがわかります。
- EarFun Air Pro 3の機能とスペック
- 音質、ANC、バッテリー性能の客観的な評価
- マルチポイント(2台ペアリング)の具体的な設定方法
- 紛失した場合の対処法
- 後継機「Air Pro 4」や競合「Soundcore Liberty 4」との違い
EarFun Air Pro 3の概要
EarFun Air Pro 3は、オーディオブランド「EarFun」が2023年1月に発売したワイヤレスイヤホンです。
EarFunは比較的新しいブランドですが、その製品は価格を大きく超える機能と品質で高い評価を得ています。
(※EarFunというブランドについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。)

発売日と基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2023年1月 |
| チップセット | Qualcomm QCC3071 |
| Bluetooth | 5.3 |
| 対応コーデック | aptX Adaptive / AAC / SBC |
| ドライバー | 11mm ウール複合ドライバー |
| 防水性能 | IPX5 |
| バッテリー持続時間 | イヤホン単体:最大9時間(ANCオフ) / 7時間(ANCオン)ケース込み:最大45時間(ANCオフ) / 37時間(ANCオン) |
| 主な機能 | ハイブリッドANC / マルチポイント接続 / ワイヤレス充電 / 専用アプリ対応 / ゲームモード(55ms低遅延) |
※価格は執筆時点(2025年11月5日)のものであり、変動する可能性があります。
主な特徴
EarFun Air Pro 3が「コスパ最強」と呼ばれる理由は、通常なら1.5万円~2.5万円クラスのイヤホンに搭載されるような機能が、1万円を切る点にあります。
- ハイブリッドANC: 最大43dBのノイズ低減、アクティブノイズキャンセリング(ANC)を搭載。
- マルチポイント接続: PCとスマホなど、2台のデバイスに同時接続できます。
- aptX Adaptive対応: 対応するAndroidスマホでは、高音質と低遅延を両立するコーデック(音声の圧縮方式)が利用可能です。
- ワイヤレス充電: Qi規格のワイヤレス充電に対応しており、置くだけで充電できます。
EarFun Air Pro 3の機能と性能を解説
ここでは、EarFun Air Pro 3の主要な機能について、客観的な評価を交えながら詳しく見ていきましょう。
サウンド品質
EarFun Air Pro 3は、11mmの大口径ドライバーを搭載しており、デフォルト(初期設定)のサウンドは低音が非常にパワフルな「ドンシャリ」(V字型)傾向です。
このチューニングは、EDMやヒップホップ、ロックなどを迫力満点に楽しみたい場合には最適です。
一方で、ボーカルや中音域が低音に少し埋もれがちに感じられることもあります。しかし、無料の専用アプリ「EarFun Audio」にはイコライザー(EQ)機能が搭載されています。
多くの評価で「EQで調整することで、低音を抑えて中音域を引き出し、バランスの取れた好みの音に激変させられる」と指摘されており、このカスタマイズ性の高さが本機の大きな強みとなっています。
ANC(ノイズキャンセリング)性能
「QuietSmart™ 2.0」と名付けられたハイブリッドANC(マイクを使って騒音を打ち消す機能)を搭載しています。
その実力は「価格帯ではトップクラス」と評価されることが多く、特に電車の走行音、エアコンの動作音、交通騒音といった持続的で低い音(低周波ノイズ)に対して高い効果を発揮します。
ただし、人の話し声や突発的な音(高周波ノイズ)のカットは、Boseやソニーのハイエンドモデルには及びません。
あくまで「価格を考えれば非常に優秀」なレベルであり、通勤・通学時の騒音を軽減するには十分な性能と言えます。
マルチポイント(2台ペアリング)の設定方法
本機の最大の魅力の一つが、マルチポイント接続(2台同時ペアリング)に対応している点です。
これにより、例えば「会社のPCでWEB会議をし、終了後にそのまま個人のスマホで音楽を聴く」といった切り替えがシームレスに行えます。
設定方法は以下の通りです。
- 1台目のデバイス(例:スマホ)とペアリングします。(通常のペアリング手順)
- イヤホンを充電ケースに戻し、蓋は開けたままにします。
- ケースのボタンを約3秒間長押しします。インジケーターが青く高速点滅し、再度ペアリングモードに入ります。
- 2台目のデバイス(例:PC)のBluetooth設定画面で「EarFun Air Pro 3」を選び、ペアリングします。
- 最後に、、1台目のデバイス(スマホ)のBluetooth設定画面から、再度「EarFun Air Pro 3」をタップして手動で接続します。
これで、両方のデバイスが同時に接続状態になります。
バッテリー持続時間とワイヤレス充電
バッテリー性能は本機の明確な強みです。
- ANCオフ時: イヤホン単体で最大9時間、ケース込みで最大45時間
- ANCオン時: イヤホン単体で最大7時間、ケース込みで最大37時間
この数値は、同価格帯のイヤホンの中でもトップクラスの持続時間です。
さらに、USB-Cでの急速充電(10分で2時間再生)に加え、Qi規格のワイヤレス充電にも対応しており、利便性が非常に高いです。
防水性能と耐久性 (IPX5)
防水性能は IPX5 に対応しています。
これは「あらゆる方向からの噴流水(低い水圧)による有害な影響がない」ことを示す等級です。
具体的には、汗や雨に耐えられるレベルなので、ジムでのワークアウトやランニング、通勤・通学中の急な雨でも安心して使用できます。
ただし、水に沈めたり、シャワーを浴びながら使ったりすることはできません。
マイク・通話品質の評価
合計6つのマイク(片側3つ)と、QualcommのcVc 8.0ノイズリダクション技術を搭載しています。
通話品質に関する評価は「概ね良好」ですが、環境によって差が出るようです。
静かな環境や適度な雑踏の中であれば、クリアに音声を相手に届けられます。
しかし、非常に騒がしい(例:強風が吹いている、工事現場の近く)状況下では、声が途切れたり、ノイズ除去が強くかかりすぎたりする場合がある、という指摘も見られます。
よくある疑問と注意点
多機能でコスパの高いAir Pro 3ですが、購入前に知っておくべき注意点や、よくある疑問について解説します。
- 紛失した場合、探す機能はありますか?
-
いいえ、GPSやAppleの「探す」のような専用の追跡機能はありません。
これはコスト削減のため、この価格帯のイヤホンでは一般的な仕様です。もし家の中などで見失ってしまった場合の対処法は以下の通りです。
- Bluetooth信号で探す: イヤホンの電源が入っていて接続範囲内(約10m)にある場合、「Wunderfind」のようなBluetooth信号強度を測定するサードパーティ製アプリで、おおよその位置(近づくと信号が強くなる)を探ることが可能です。
- 音を鳴らして探す: イヤホンがスマホに接続されている状態であれば、最大音量で音楽を再生し、その音を頼りに探します。
- 物理的に探す: 最も基本的な方法ですが、バッグの中、ポケットの中、最近立ち寄った場所などを丁寧に確認しましょう。
- 装着検出機能はありますか?
-
いいえ、装着検出機能は搭載されていません。
これは本機の明確な弱点としてよく指摘されるポイントです。
イヤホンを耳から外しても、音楽や動画は自動で一時停止しません。
手動で停止・再生する必要があります。 - 操作性(タッチセンサー)の評価は?
-
操作はステム(棒状)の部分にあるタッチセンサーで行います。
音量調整、再生/停止、曲送り/戻し、ANCモード切り替えなど、基本的な操作はすべてイヤホン側で完結できます。ただし、一部の評価では「センサー部分が小さく凹んでいるため、特に運動中などは少し反応しにくいことがある」という声もあります。
ライバル機種との徹底比較
EarFun Air Pro 3の購入を検討する際、最も比較対象となるであろう2つのモデルとの違いを明確にします。
(※EarFun製イヤホンの全体的な比較については、こちらの記事も参考にしてください。)

後継機「EarFun Air Pro 4」との違い
| 機能 | EarFun Air Pro 3 | EarFun Air Pro 4 | 主な違いと意味 |
| 発売日 | 2023年1月 | 2024年夏 | Air Pro 4が最新モデル。 |
| 主要コーデック | aptX Adaptive, AAC | LDAC, aptX Adaptive, AAC | AP4はLDAC対応。Androidでハイレゾ級音質が楽しめる。 |
| ANC | ハイブリッドANC (最大43dB) | アダプティブANC | AP4は周囲の状況に応じてANC強度を自動調整。 |
| 装着検出 | なし | あり | AP4は耳からの着脱で自動再生・停止に対応。(AP3の最大の弱点を克服) |
| サウンド | 低音重視 (ドンシャリ) | バランス重視 | AP4はよりフラットで解像度の高いサウンドへチューニングが変更された。 |
| バッテリー(ANCオフ) | 9時間 (イヤホン) | 11時間 (イヤホン) | AP4はイヤホン単体の持続時間が向上。 |
| Bluetooth | 5.3 | 5.4 | マイナーアップデート。 |
- Air Pro 3を選ぶ人: 「装着検出」や「LDAC」は不要。
とにかく1万円以下でANCとマルチポイントが欲しい人。 - Air Pro 4を選ぶ人: 「装着検出」は必須。
Androidユーザーで「LDAC」の高音質を楽しみたい人。
よりバランスの取れた音質を好む人。
(※Air Pro 4に関するより詳細な比較は、こちらの記事で解説しています。)

ライバル「Soundcore Liberty 4」との違い
Ankerの「Soundcore Liberty 4」および「Liberty 4 NC」は、Air Pro 3の強力なライバルです。
Soundcore Liberty 4 シリーズの強み
- 音質: Air Pro 3よりもクリアで濁りの少ない、解像度の高いサウンドと評価されることが多いです。
- アプリ機能: 「HearID」による聴覚特性に合わせた自動EQ作成など、アプリの機能が非常に豊富で洗練されています。
- ANC性能: 特に「Liberty 4 NC」は、Air Pro 3と同等か、やや強力なANC性能を持つと評価されています。
EarFun Air Pro 3 の強み
- コストパフォーマンス: 最大の強みです。Soundcore Liberty 4シリーズ(特にNCではない通常モデル)よりも数千円安く、同等のコア機能(ANC, マルチポイント, ワイヤレス充電)を提供します。
- バッテリー: 合計のバッテリー持続時間(ケース込み)では、Air Pro 3が優れている場合が多いです。
おすすめな人
- Air Pro 3を選ぶ人: コスト最優先。
EQでの調整を前提に、数千円安く全部入り機能を手に入れたい人。 - Soundcore Liberty 4を選ぶ人: 予算が少し上でもOK。
初期設定の音のクリアさや、より高機能なアプリ体験を重視する人。
各モデルの特徴を比較した結果、ご自身の優先順位が見えてきたのではないでしょうか。
それぞれのモデルは、異なる強みを持っています。
「価格重視で全部入り」のAir Pro 3、「弱点を克服しLDACに対応」したAir Pro 4、「アプリと音の洗練」を求めるならSoundcore Liberty 4シリーズが選択肢となります。
まとめの前に:EarFun Air Pro 3がおすすめな人
EarFun Air Pro 3は、特に以下のような方におすすめできるイヤホンです。
- 1万円以下の予算で、機能にてんこ盛りのイヤホンが欲しい人
- PCとスマホの「2台同時接続(マルチポイント)」を多用する人
- バッテリー持ちとワイヤレス充電の利便性を重視する人
- EDMやロックなど、迫力ある低音サウンドが好きな人(またはEQで調整するのが苦でない人)
一方で、以下の点を重視する方には、Air Pro 4やSoundcore Liberty 4のほうが適しているかもしれません。
- イヤホンの着脱で自動再生/停止する「装着検出機能」が絶対に欲しい人
- Androidスマホで「LDAC」コーデックの高音質を楽しみたい人 (→ Air Pro 4)
- 初期設定のままで、バランスの取れたクリアな音質を求める人 (→ Air Pro 4 / Soundcore)
ご自身の使い方に最適なモデルを選んでみてください。
まとめ
この記事では、EarFun Air Pro 3の機能や性能について、客観的な情報をもとに解説しました。
最後に、導入で挙げた疑問に一問一答形式で回答します。
- 実際の音質やノイズキャンセリング性能はどうなの?
-
音質は低音強めの「ドンシャリ」系ですが、アプリのEQで調整可能です。
ANC性能は価格帯トップクラスで、特に電車やエアコンなどの低周波ノイズに強力です。 - 後継機『Air Pro 4』や競合『Soundcore Liberty 4』と何が違うの?
-
Air Pro 4との最大の違いは「装着検出の有無」と「LDAC対応の有無」です。
Soundcore Liberty 4と比べると、Air Pro 3は「価格」と「合計バッテリー持ち」で優れ、Soundcoreは「アプリ機能」と「初期の音のクリアさ」で優れています。 - 2台同時にペアリングできる? もし紛失したら探せる?
-
2台同時ペアリング(マルチポイント)に対応しています(設定方法は本文参照)。
ただし、GPSなどを使った専用の「探す」機能は搭載されていません。
EarFun Air Pro 3は、「装着検出がない」という明確な弱点はあるものの、それを補って余りある多機能性(ANC、マルチポイント、ワイヤレス充電、aptX Adaptive)を1万円以下で実現した、驚異的なコストパフォーマンスを持つイヤホンです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
主な参考文献
| 出典 | URL | 主な内容・ポイント |
|---|---|---|
| EarFun Air Pro 3 LE-Audio ANC True Wireless Earbuds Black(メーカー公式サイト) | https://www.myearfun.com/eu/headphones/earfun-air-pro-3-le-audio-anc-true-wireless-earbuds-black | 製品の公式スペック情報。QuietSmart™ 2.0 ANC、Qualcomm QCC3071チップ、マルチポイント接続、IPX5防水、バッテリー寿命などの詳細を確認。 |
| 【2024年最新】EarFun Air Pro 3をレビュー!1万円以下で敵なしの実力 | https://note.com/bright_llama373/n/n7f7a91e22980 | 実際の使用感をもとにしたレビュー。音質(ドンシャリ傾向)、ANC性能、フィット感、アプリ操作性を具体的に評価。 |
| Earfun Air Pro 4 vs Air Pro 3: comparing the two cheap earbuds | https://www.techradar.com/audio/earfun-air-pro-4-vs-earfun-air-pro-3-comparing-the-two-cheap-earbuds | Air Pro 4との直接比較。音質・ANC・装着検出・バッテリー・価格など、モデル間の主要な違いを詳しく分析。 |
| EarFun Air Pro 3 review(SoundGuys) | https://www.soundguys.com/earfun-air-pro-3-review-111180/ | 音質測定データに基づいた技術的レビュー。ANC性能や歪みの弱点を指摘しつつ、価格帯に見合う接続性・装着感を評価。 |




